JAPAN DESIGN COMITTEE

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春慶塗りに“絵”を戻そう。

松永真|グラフィックデザイナー

プロフィール

右も左も判らないグラフィックデザイン志望の学生だった芸大在学中に、突然“漆”の話を熱く聞かせて下さったのが、かの人間国宝松田権六先生であった。声も太くて、つややかな手、そして眼光鋭い顔をしていた。熱いツバキが顔に当たった記憶さえもまだ残っている。厳格で気の遠くなるような技の世界であった。あれが芸大で教わった最初の“日本”(Japanの語源は“漆”である)だったのだ。一方、子供の頃、祖母の家に素朴な絵の付いた漆器があった。漆器というよりは、簡単なうわ薬のついた普段使いの木製雑器という感じだった。強度のための簡単な漆塗りが長じた結果、浅い色の漆器になっていったのではないかと思う。それ故に、墨絵を施しても透視出来る。それが春慶塗の特徴になったと想像している。素朴な生活の知恵が、地域の風土、慣習によって様々に枝分かれしながら、様式化されていくのがとても面白い。

今回のプロジェクトはプロダクト系のデザイナーが多かったせいもあるけれど、私は、グラフィックデザイナーの立場を生かしつつ、春慶塗の特徴の復活を願って、直感的に絵を置いてみようと思った。親元を離れ、東京の専門学校でイラストレーションを勉強していると聞いた職人の娘さんのことが眼に浮かんだからでもないけれど、やはり、春慶塗には絵があってもよいのではないかと思った。

チェシャ猫の笑いを浮かべる椀は、すたこら逃げ出さないようくわいと海老芋、という重量級の具を背負わせておこう。残したくわいの芽が尻尾なら透き通った緑の銀杏はウィンクする猫の瞳だ。

  • 椀一式

    汁椀飯碗箸盆

    品番 SI-MA
    セット内容 汁椀、飯碗、箸、箸置き、盆
    価格 ¥51,840
  • 汁椀

    汁椀

    品番 SKW-MA-紅
    寸法 130Φ×72mm
    春慶色 紅、内部黒
    材質 ひのき
    価格 ¥15,120
  • こちらの品物は完売いたしました
  • こちらの品物は完売いたしました

椀一式・寸法図

ご購入について(必ずお読みください)

ご購入のお手続きについて

ご注文フォームにてご注文後は、下記「ご購入の流れ」に添って、メールでのお手続き・ご対応をさせていただきます。
日本デザインコミッティー・個人情報保護方針
特定商取引法に基づく表記

ご注文から商品のお受け取りには、最大で8ヶ月間お待ちいただいております。

飛騨春慶塗はその商品特性上、生産に長い期間がかかり、また生産数も限られております。具体的な商品の到着時期、在庫 の有無に付きましては、お手数ですがご注文後のメールにてご対応させて頂いております。

ご購入の流れ

1. ご注文メール送信 ご注文ボタンから注文すると、日進木工(株)様にメールが配信されます。
2. ご確認メールお受け取り・
納期の確認
ご担当者様より注文確認のメッセージが到着いたします。大まかな商品の到着時期を
お答えさせて頂きます。
3. ご入金 ご入金はメールに記載されている振込先への銀行振込のみとなります。
4. お受け取り 商品が完成しだい、お手元に到着いたします。どうぞ気長にお待ちください。

春慶の取り扱いについて

漆はウルシの木から採取した天然の樹液(傷つけられた木が傷を塞ぐために分泌する)です。飛騨春慶はこの漆が完全に固まるまでの間、ゆっくり強度と透明度を増しながら本来の美しい色、濃褐色から淡い春慶色へと変化していきます。また木地師や塗師が多くの皆さまに使っていただくために、手間を厭わず、心を込めて製作した生活道具ですから、少々の傷などは気にされず、日常生活の中で気軽にお使いいただければ幸いです。末永くご愛用いただくために、以下の注意とお手入れ法とをご参考にしてください。

ご使用上の注意

塗り上げて間もない飛騨春慶は、体質によってかぶれる場合もありますので、取り扱いには十分ご注意下さい。かぶれやすい 方は取り扱いの際、手袋などの着用をお勧めします。

直射日光に当てることや、ストーブ、ガスレンジの近くなど高温になる場所に置くこと、電子レンジや蒸し器で加熱すること は避けてください。

食器洗浄乾燥機、冷蔵庫には入れないでください。

お手入れ法

塗り上げて間もない飛騨春慶は表面に油がにじみ出て、霧が噴いたような状態になりますので、その場合は柔らかな布で油を 拭き取ってください。にじみ出た油が固まってしまいますと、取れなくなります。油が落ちにくい場合は、薄めた中性洗剤を 柔らかい布やスポンジなどにつけて、水またはぬるま湯でやさしく洗い流してください。

ご使用後の油汚れは薄めた中性洗剤を柔らかい布やスポンジなどにつけて、水またはぬるま湯でやさしく洗い流してください。

クレンザー(磨き粉)や熱湯は使わないでください。スポンジも種類によっては傷の原因になることがありますので、十分に ご注意ください。

ご使用中の飛騨春慶の匂いが気になる場合は、しばらく風通しの良い冷暗所に置いて下さい。匂いは自然に消えます。

洗い桶の水などに長時間漬けておくと、変色、変形、ひびの原因になります。使用後は水またはぬるま湯で手早く洗い、水切 後は水滴の跡が残らないよう、乾かないうちに柔らかい布で水気をよく拭き取ってください。

弁当箱に米粒などがこびりついた場合は、ぬるま湯を短時間(10分以下)張り、米粒が浮き上がってきたら、柔らかい布か スポンジでやさしく洗い流してください。

新しい飛騨春慶の漆の匂いを早く取り除くには、米ぬかの中に数日入れておくか、酢水、あるいは少量の酢を加えた米のとぎ 汁で洗ってからぬるま湯ですすいでください。一回で匂いが取れない場合は、数回繰り返してください。