- 2014.10.23
- 椀一式の販売は全て終了いたしました。
- 2014.4.1
- 消費税8%に伴い、価格の改訂をいたしました。
- 2010.2.23
- 関連展覧会「重と箱―見立てる器」は盛況のうち終了いたしました。ありがとうございました。
植生や地政学的条件から、林業や木材加工の技術が発達した飛騨地方で「飛騨春慶」が生まれたのは、歴史的な必然だったといえる。その起源は桃山時代に遡る。豊臣秀吉の配下として飛騨侵攻を成功させた武将、金森長近(1524~1608)は、茶の湯や蹴鞠に精通した文化人としても知られ、城下の高山の町を碁盤の目状の街区に整理、鉱山の開発や林業の振興に尽くし、工匠たちに腕を競わせて、高山を「小京都」と呼ばれるまでに発展させた。飛騨春慶が生まれたのは二代藩主、金森可重の治世の頃。大工棟梁であった高橋喜左衛門が、偶然打ち割ったサワラに生まれた美しい批目を活かして盆を作り、可重の息子で茶人としても知られた重近(金森宗和、1584~1656)に献上したところ、重近は御用塗師の成田三右衛門に塗りを施させた。その木目を透かす透漆仕上げが、既に高名だった瀬戸焼の茶入「飛春慶」の黄釉を思わせる肌合いであったことから、可重と重近が春慶と命名。これが飛騨春慶の始まりとされる。
一般的な漆塗として知られる黒漆、朱漆に対して、木目の美しさを見せる透明な漆塗の技法を代表するのが、飛騨の地に蓄積されてきた高度な木工の技術と質の高い木材、そしてそれを活かす透漆塗の技法とが五分で結びついた飛騨春慶である。木地の原材料に用いるのは、ヒノキ、サワラ、トチなどの樹種。木地の工法は板を組み合わせて作る「板物(指物)」と、木材を轆轤にかけて成型する「挽物」に大別され、「板物」では重箱や膳を、「挽物」では椀や盆を作る。また「板物」には、薄い板をコロに巻き付けて円形に成型する「曲物」もあり、丸盆や弁当箱が作られている。
木肌を生かした透き漆で知られる飛騨春慶と日本デザインコミッティーがコラボレーションを行いました。普段使いの「汁椀」は、言わば暮らしのへそ。暮らしの形に目を凝らしてきたコミッティーのメンバー8名が自分で使う漆器の「汁椀」をデザインしています。どうせなら汁碗に合う飯碗を見立てて盆にのせ、箸を添えて「椀一式」のしつらいと称し新しいおとなのたしなみとして提案しようという趣向です。飛騨春慶の職人の方々との共同作業によって8人のデザイナーによる充実した「椀一式」がそろいました。仕上がりは展覧会でぜひご覧ください。さらに、これらの「椀一式」を、ご希望の方に、コミッティーのwebを介してお分けする仕組みを考えましたので、よろしければぜひご注文を。ただし、春慶の制作行程は全て緻密・繊細な手作りのためご注文をいただいてから納期まで最長で8ヶ月かかります。発注は2ヶ月に一度、まとめて職人の方々に行われます。そして、木地と塗りに計6ヶ月。ひとつひとつを丹念に仕上げていきますが、生きた木材や漆を使いますので、色やかたちなどに微妙な差異が生まれてきます。この点も一品生産ならではの個性ですから、納期と同様にご理解の上、そこをご堪能いただけると幸いです。また、本プロジェクトは「漆」が主たるテーマなので、「飯碗」は既製品を見立てたものです。したがって主役の汁椀と比較すると、やや控えめな存在になっている飯碗もあります。購入後はむしろ茶碗をご自身の見立てで充実させていただいて結構だと考えております。いずれにしても、飾り物ではなく「使う器」として暮らしの中に溶け込ませていただければと願っていますのでお気に入りの「椀一式」がございましたらふるってお申し込みください。なお、ご注文は「椀一式」のセットと、「汁椀単体」の二つの方法でお受けすることができます。この場合も、納期が多少前後する場合がありますがどうかよろしくご了解ください。
日本デザインコミッティー 原研哉
タイトル | 飛騨春慶×日本デザインコミッティー「重と箱―見立てる器」 |
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会期 | 2010年1月27日(水) ― 2010年2月23日(火) 朝10時 ― 夜8時 |
会場 | 松屋銀座7階 デザインギャラリー1953 〒104-8130 東京都中央区銀座3-6-1 tel. 03-3567-1211(大代表) アクセスマップ |
入場料 | 無料 |
展覧会担当 | 原研哉 |
共催 | 日本デザインコミッティー、(財)飛騨地域地場産業振興センター、(財)岐阜県産業経済振興センター デザインセンター |
見立て人 | 深澤直人、原研哉、岩崎信治、川上元美、小泉誠、黒川雅之、松永真、佐藤卓 |
お問い合わせ | 日本デザインコミッティー 〒104-8130 東京都中央区銀座3-6-1 松屋北館4階 tel. 03-3561-2572 fax. 03-3561-6038 jdcommit@yb3.so-net.jp お問い合わせ |
書籍名 | 飛騨春慶×日本デザインコミッティー 椀一式 使う漆器へ |
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出版社 | 実業之日本社 |
発売日 | 2010年1月15日 |
価格 | 2,052円 |
主催 | 飛騨春慶ひのき会 |
企画・構成 | 原研哉、日本デザインコミッティー |
編者代表 | 原研哉 |