1984年3月 9日
黒川紀章さんが、建築界の鬼才と喧伝されてから、一体何年になるだろう。ほんの昨日のことのように思われるが、随分時間が経っている筈である。それは黒川さんが早熟で、若くして大家の列に加わったからである。そうして常に、新鮮な感覚を失わず。絶えず前へ前へと進んで行く。決して過去を振り返らないように思われる。全ての芸術家がそうだが、いつも新人の立場で仕事をするのが理想である。それは守る側でなく、攻める側に立つからである。だから黒川さんは、世界の第一線から一歩も引いていない。それは、いつも攻める姿勢を崩さないからである。この展覧会はこの姿勢をおめにかける。(亀倉雄策)

